「……」



好きな、子



「~~~……っ」



ボフッと顔が熱くなる。

ヤバい、ヤバいヤバい。

今ので心臓つぶれた。ブチュッて。



「おい、そこのバカップル」

「あっ、岩清水くんダメだよ邪魔しちゃ…!」


少し離れたところから男女の声。さっき柊哉くんを止めてくれた男の子とそのパートナーの子だ。


「声かけないと一生やってるだろ。こいつらがキスするとこまで見届けるつもり?」

「キ!?そそそんなつもりは…っ!」


2人の小競り合いに、いやでも注目せざるを得ない。


「あー…そこの人。本当に柊哉でいいの?」

「へ!?」


唐突に男の子に声をかけられて私は肩を跳ねさせる。


「おい勇気!」


柊哉くんに勇気と呼ばれた男の子は構わず続ける。


「中学ん時は今でも語り継がれるくらい手のつけられない不良だったし、寄ってくる女子雑に追い払うクズだったし、買えるだけの恨み全部買ってたような男だぜ?」


柊哉くんはバツが悪そうな顔をしてる。