はい皆さんこんにちは。

私は白嘉茂巡と申します。はじめまして。

早速ですが、私から向かって正面をご覧ください。

こちら、(おおとり) 柊哉(しゅうや)くん。

お分かりいただけますでしょうか。

眼鏡の奥の誠実さあふれる凛とした目、スッと通った鼻筋に輪郭の整ったきれいな唇。そして爽やかとはこのことですと言わんばかりの、


「行こっか。巡ちゃん」


この、笑顔…!

そう、そうなんです、柊哉くんはまさに王子様みたいな人なんです!

見えるでしょう?風に靡いて翻るマントが!お城に待たせている美しい白馬が……!!

こんな人が毎朝私より早く起きて、笑顔でおはようってカフェオレを出してくれるんですよ……?
毎晩寝る前に無防備な部屋着姿で隣で歯磨きしておやすみって言ってくれるんですよ……?
この爽やかで可愛すぎる笑顔を毎日、毎日見放題なんですよ!?
私は前世でいったいどれほどの徳を積んだのでしょうか!?!?


「……あ」


脳内で柊哉くんのかっこよさについて熱く語っていると、柊哉くんが振り向いた。


「はい」


王子様が微笑みながら私に手を差し伸べる。