ズダァー……ン!!



柊哉くんはビリビリと地面を震わせながら着地した。


「っ……くぅ、」


さすがに痛かったらしい。


そして顔をあげた柊哉くんと目があう。


「……」


柊哉くんは私の手首に巻き付いたガムテープに気が付いて、例の冷たい表情をした。

柊哉くんが視線を移して、あっけにとられている目出し帽の男たちに低い声を放つ。


「…………女の子の手縛って追いかけて、何してんの?」


ゆらりと立ち上がった柊哉くんにただならぬ気配を察知したのか、男たちが後ずさる。


「お、おい!逃げるぞ…!」

「え、でも娘は…」

「バカ、死にてぇのか!早く!!」


殺気まみれの柊哉くんがすごいスピードで走り出し、同時に走り出そうとしていた2人をあっという間に捕まえて目出し帽を取っ払った。

青ざめた2人のおじさんが顔をあらわすと、柊哉くんが笑ってない笑顔を見せた。


「なに?死にたいって?」


首をブルブルと横に振る2人に、柊哉くんがなんの前触れもなく頭突きした。

「「!!」」

ゴッ!と鈍い音が鳴って2人が崩れ落ちる。

「ぐっ……、」

悶絶してうずくまる2人に、柊哉くんがフラ、と影を落とした。


「手伝ってやるよ。汚い手で巡ちゃんに触ったこと、あの世で後悔させてやる…!」

「……!」