巡ちゃんが遠く見えなくなっていくのを、俺はただ呆然と眺めていた。
「……」
力が抜けた俺は、そこにあった椅子にボスッと腰をおろす。
…………詰んだ。
この席はさっき巡ちゃんが嬉々として取ったはずのテーブル。
「はー……」
俺は両手で顔をおさえてため息をついた。
まさかこんなタイミングでバレるなんて。
自業自得?そんなことわかってる。でも自分のタイミングでちゃんと伝えたかった。だから今まで冷静に、慎重に行動してきたんだ。
それなのに……
俺はまた湧き上がる気持ちを、自分の前髪をぐしゃっとしてなんとかやり込める。
「巡ちゃんに触ったあいつ殺してぇー……」
物騒なことを呟く俺に、一部始終を見ていた周囲のひそひそ話す声が聞こえる。
もうどうでもいい。
今からでも追いかけてあいつの唇引きちぎってこようかな?
……いや、今はそれどころじゃない。
巡ちゃんの怯えた表情を思い出して、胸が重く軋んだ。
これからどうしよう……。
「柊哉?」
自分の名前を呼ぶ声に、両手を外して目線だけ横に動かす。
「……」
力が抜けた俺は、そこにあった椅子にボスッと腰をおろす。
…………詰んだ。
この席はさっき巡ちゃんが嬉々として取ったはずのテーブル。
「はー……」
俺は両手で顔をおさえてため息をついた。
まさかこんなタイミングでバレるなんて。
自業自得?そんなことわかってる。でも自分のタイミングでちゃんと伝えたかった。だから今まで冷静に、慎重に行動してきたんだ。
それなのに……
俺はまた湧き上がる気持ちを、自分の前髪をぐしゃっとしてなんとかやり込める。
「巡ちゃんに触ったあいつ殺してぇー……」
物騒なことを呟く俺に、一部始終を見ていた周囲のひそひそ話す声が聞こえる。
もうどうでもいい。
今からでも追いかけてあいつの唇引きちぎってこようかな?
……いや、今はそれどころじゃない。
巡ちゃんの怯えた表情を思い出して、胸が重く軋んだ。
これからどうしよう……。
「柊哉?」
自分の名前を呼ぶ声に、両手を外して目線だけ横に動かす。