「ねぇ、お茶しない?」
ここはりぼんランド、観覧車横のベンチ。
制服姿で座っていたところを見知らぬ男性2人組に声をかけられた私、白嘉茂 巡は硬直していた。
頭の中でカコーン、とししおどしが鳴ったのは、こないだおじいちゃんと行った茶会の様子を思い出してのこと。
……違う、さすがにそのお茶のことではない。
いくら箱入り娘と言われる私でも、その程度の常識は分かる。
もしかして、もしかしなくてもこれって……
「驚かせてごめんね。君かわいいから声かけちゃった」
ナン、パ。
「ねぇ、ずっとここにひとりで座ってるよね。もしかして彼氏とケンカ?話聞いてあげようか」
ひとりが無遠慮に私の隣に座って足を組み、私はビクッと肩を震わせて涙目になる。
怖い…!
「高校生だよね?ちょっとだけ話そうよ」
嫌です、無理です、どこかに行ってください!
そう思うのに声が出なくて、私はリュックを抱きしめる。
「ねー聞こえてる?もしかして日本語わかんない系?」
怖い怖い、怖いよ〜〜〜!!(泣)
「おーい、こっち見てよー」
私の正面に立ち、窺いみるように私の顔を覗き込む男の人が私の顔に手を伸ばした。
「!や…っ」
恐怖で目をギュッとつむった、次の瞬間。