『ふぅ。疲れた…。』

シオリと解散した後は、アルバイトに向かった。

そしてアルバイトを終えてから帰宅した。

家の中に入り、部屋の灯りを付けて床に座った。 

3時間しか働いていないとはいえ、デート後のバイトはさすがに疲れる。

2人と恋愛をしていると、普通に付き合う人達の2倍はお金がかかる。

生活をするだけなら両親の仕送りだけで充分だけど、恋愛代までは補填できない。

働くしかない。

交際を始めてからすぐに部活動は辞めた。

ハンドボールをやっていたけど、熱心に取り組んでいた訳ではないので、未練は全くない。

そんなことよりも…。

早急に、アヤの誕生日とシオリの大会の日程を確認する必要がある。

2人にとって大切な日は、オレにとっても大切な日だ。

できることはなんだってする。

カレンダーと予定帳を見た。

確か、27日と2週間後の土曜日だった。

ん…?

おいおい、ちょっと待て。

2週間後の土曜日が27日じゃね…?

どうしよう…。

どうしよう?

マジか。

落ちつけ。

落ちつけ。

まず、バイトはない。

一日中空いている。

いや、空いている方が問題か?

平等なのは…。

両方に行くか、両方とも行かないかだ。

両方とも行かないなら、アルバイトをするしかない。

両方に行くとしたら、先に大会に行って、その後に誕生日会が現実的だ。

もしも片方を選ぶとしたら…? 

アヤは明るいようで、寂しがり屋だ。

悲しむに決まっている…!

シオリはクールなようで、寂しがり屋だ。

悲しむに決まっている…!

いや…。

仮に今回は何とかなったとしても、いずれは同じようにダブルブッキングするかもしれない。

潮時かもしれない。

それならもういっそのこと、選ぶべきか?

どうしようか…。