「大丈夫だ。
その代わり、また俺と会ってくれるか?」


「…もちろんです。」



頭をぽんぽん、と撫でてくれると。
一条さんは十葵さんの運転する車に乗り込んで。
そのまま走り去って行った。


…なにあれ。
頭ポンポンされちゃった…!

まだ余韻の残る頭を自分でぽんぽんしてみる。
思い出して、また嬉しくなった。



「一条さん…。」



自覚はしたくなかった。
だって、こんなの初めてだから。
だからこれがそれかどうかも分からない。

でもわたしは…



「好き。」



あの人が、好きだ。

一条さん。
わたしは貴方が好きみたいです。