それから一条さんとお話をしながら、一緒にイタリアンのコース料理を食べた。

どの料理もすごく美味しくて、大満足だけど心配なのはわたしのお財布事情…。



「面白いな、芽来は。」


「そんな事ないですよ。
一条さんが上手に話を広げてくれるから面白くなってるだけです。」



今日だけで、一条さんのことを沢山知れた気がする。
実は、お料理が得意なこと。
ここ2年ほどは彼女が居ないこと。
趣味はお料理と読書なこと。

…そして、素敵な笑顔も。
喉を鳴らすように笑うから、その時に動く喉仏にもドキッとした。



「芽来との時間はあっという間に過ぎるな。
…そうだ、連絡先を教えて欲しい。
お前が連絡してくれたらすぐに駆けつける。」



ああ、また。
こういうことを言われ慣れてないわたしは、それだけで期待しそうになる。

この人の特別に慣れてる気がして。
おこがましい自分が嫌になる。