「ごめんね、芽来ちゃん。
あれから久しぶりだけど、大丈夫かな?」


「あ、いえ。
でもいきなりだったのでびっくりしました。
十葵さん、わたしに何か…?」



十葵さんが運転してくれてる車の中。
どこに向かっているかも分からない。



「うん、ちょっとね。
うちの上司が芽来ちゃんとお食事したいって言ってて。」


「上司って…一条さんですか?」


「うん、そうそう。
芽来ちゃんはイタリアン好き?」


「好きです。」


「よかった。
美味しいところ予約しててね、あと10分くらいで着くからね。」


「分かりました。」



一条さんとご飯…。
思ってもみなかったから、嬉しい。
また会えるなんて思っていなかったから。


でも、どうしてわたしの学校が分かったんだろう…?
わたしが東高に通ってることなんて話したこともないのに。