「李月まで食い気味に聞くの〜?
わたしは2人ほど綺麗でも可愛くもないし、そういうのはいたことないよ。」


「嘘だ〜!!絶対いたことあるっしょ!」 


「それは私も驚いた。芽来ならいてもおかしくないのに。」


「あはは、本当〜?
そう言ってもらえるのは嬉しいけど。
……わたし、そろそろ帰るね、今日夕飯作らなきゃいけなくて。」



まだなにか言いたそうな2人。
だけどこれ以上、詮索されるのは嫌だから。
にっこり笑って手を振ると、足早に学校を出た。



「……。」



帰りのバスに揺られながら。
イヤホンから流れる曲を何も考えずに聞き流す。


彼氏、か…。
元々人付き合いが得意な方ではないから、そこまでの関係性に発展できる人がいない。
仮に居たとしても…わたしなんかと付き合ってくれるわけがない。