「芽来凄いね、さすが。」


「いやいや、李月がある程度説明してくれてたから。
わたしはそこに付け加えただけだよ。」



そんなことを話しながら、また自分の問題集に目を移す。

言い方は悪いけど、学校のランクをあえて落として今の高校に入ってるから。
正直少し勉強すればそれなりの点数がとれる。
進路はまだ決めてないけど、大学でも専門学校でも推薦で行きたいし。
進学校じゃそんなの無理、ただの落ちこぼれだろうけど。



「そういやさ、昨日繁華街の方に夜行ったんだけどさ。」


「駅前の方?」


「そうそう、バイトが終わるの遅くてさ。
12時くらいに歩いてたら、なんかめちゃくちゃイケメンな人たちいたんだよね。」



イケメン…。
そう言われて、頭に浮かんだのは何故か一条さん。
やだな。もう会えないし、会いたくもないのに。