あれから数日。
あの日以来、特になにもなく過ごしていた。
それよりも、学校の定期テストのほうに気を取られていて。



「だから柑奈!そこはそれじゃなくてこっちの方式使うの!」


「もー!分かんねえ!!」



放課後、空き教室で柑奈と李月と勉強するのがここ数日の日課になってきている。
もちろんバイトもテスト期間に入るからお休みをもらった。
バンドの方もみんな同い年だから学校は違えど、ここ1ヶ月くらいはテストがちょこちょこあるようで忙しいみたい。
終わった人から少しずつライブに参加感じかな。



「ちょっと芽来、私もう限界。代わって。」


「はあ〜〜!?限界なのはあたしの方!!李月の説明むずい!」


「柑奈、りんごが3個あってわたしと李月が1つを2人で分けたら何個残る?」 


「2個!あ、待って!分かったかも!!」


「そういうこと。そこで、さっきの方式使うんだよ。」