「紗綾ちゃん!どうかな!」


「うん、いい感じだよ。
着心地も素敵だね。」



瑛と親しげに話してる女の子を横目に。
わたしは、ふと辺りを見回した。


洋装から和装、瑛が作った服みたいに和洋折衷の服を着た人達がみんな楽しそうに笑ってる。




「…あの!すみません!」


「…はい?」



え、わたし?
邪魔にならないように、壁際で寄りかかって待ってたけど邪魔してた?


わたしに話しかけてきた女の子は、裁縫道具を片手に持っていて。
奥の方に置かれてるトルソーを指さした。



「私の服着てもらえませんか!?」


「え?」


「モデルの子が風邪で休んじゃって…。
私が作ったやつ、身長とか背格好が大切になってくるから同じ身長くらいの貴女にお願いしたくて…!」


「え、いや、わたしなんて…。」


「お願いします!」



すごい勢いで頭を下げてくるけれど。
わたしなんかがモデルなんて。
歩き方だって知らないし、出来ない。