そろそろご飯にしようと思って立ち上がった時。
わたしのスマホに連絡が来た。



「もしもし。」


『もしもし、巡…?』


「瑛?どうしたの?」



珍しい、瑛から電話なんて。
なにかあったのかな、心なしか元気がないように聞こえる。
心配だけど、あんまり矢継ぎ早に聞くのもよくない。



『何でもないの、ちょっと巡の声が聞きたくなって…。』


「そうなの?
そう思って掛けてきてくれたのは嬉しいけど、何かあったのかと思ったよ」


『えへへ…。
あのね、今月末に聖隷の学園祭があるの。
招待制なんだけど、よかったら来ない?
服飾科でね、ファッションショーやるんだけど巡に私の作ったの見てほしくて…』


「良いの?
ぜひ行かせてよ。」


『やった…!
招待状、巡のお家に送っておくね!
しばらくは、衣装作りで忙しくてバンドの方に顔出せないから…。』


「分かった、楽しみにしてるよ。ありがとね。」


『ううん、私こそ嬉しいからありがとう。
じゃあ、また…!
詳しいことは近くなったら話すね。』


「うん、またね。」



聖隷の学園祭かあ。
楽しみだな、他校の学園祭なんてあんまり行くことないし。
お返しに、東高の文化祭招待しようと思うけど、瑛がみたらびっくりさせちゃうかな。