「見てんじゃねーよ、陰キャ共。」


「言いたいことあるなら、言いにこいよ。」


「柑奈も李月もあたり強いなあ。」



そんなに目くじら立てて威嚇しなくてもいいのに。
そう思うけど、下手に言うと面倒なことになり兼ねないから、我関せずで。


あ、藤雅からメッセージきた。
可愛い、今日のお昼ご飯の写真だ。
今日は早めのお昼なんだね、わたしはそろそろ4限目が始まるよ、っと。



「てかさ~。
夏休み中に彼氏できたんだよね!」


「彼氏?」


「そう~!
SNSでメッセージきてデートして付き合うことになった!
北校のタメでさあ~。」


「北校とかどんな感じなの?
普通の学校って感じだよね、部活とかもあんまり名前聞かないし。」


「平凡だよガチで!
男子の顔面偏差値もこっちの方が良いし!!
でも頭悪いのが難点だけど!」



へえ。
あんまり周辺の学校には詳しくないから、よく知らないけど。
そんな感じなんだ。


柑奈の彼氏の話は、4限目が自習になったから授業が始まる時間になっても続いて。
ゲラゲラ笑う柑奈の声は、自習中なのにうるさくする男子たちと変わらなくて。
鬱陶しいなあと思っていた。