美容院が終わると、藤雅にメッセージを入れて。
藤雅のマンションへ向かった。



「あ、きたきた。」


「あれ、十葵?」



鍵なんて持ってないけど、どうしよう…と思っていたら。
エントランスで、十葵とばったり。


よかった。
これで、藤雅のお家に入れる。



「え、じゃあわざわざ待っててくれたの?」


「若から頼まれてたし。
芽来ちゃんがメッセージくれたから、それに合わせて俺が来ただけ。
ごめんね、若じゃなくて。」


「全然、むしろお仕事中にわたしこそごめんね。」



エレベーターの中で十葵に謝る。

わざわざ中抜けして来てくれたみたいだし。
申し訳なかったかな。
藤雅が帰ってくるまで、どこかで時間潰したりしてても全然構わなかったんだけど…。



「はい。着いたよ。
じゃあ、ここで待っててね。」


「分かった、ありがとう。」


「はーい、じゃあまたね。
多分もうしばらくしたら、若も帰ってくるから。」



十葵と別れて、藤雅の部屋に入る。


藤雅のお家に来るのも、これで5回目…?
何度か来ているから、前ほどは緊張しなくなったけど。