「それでね、お母さんが許してくれたの。
藤雅のこと気に入ってたよ。」


『それならよかった。
彼女の母親に気に入られて損はねえからな。
蒼樹はやつれてるが。』


「蒼樹さんには謝っておいて。
じゃあ、また明日。
そのまま藤雅のおうちに行っていいんだよね。」



お昼ご飯の素麺を食べて。
自分の部屋で、藤雅に電話をかけた。


電話から聞こえてくる藤雅の声は、いつもより少し掠れている感じがして。
なんだかドキドキする。
やだな、全然慣れないや。



『ああ。
迎えに行けなくて悪い。』


「大丈夫だよ。
バイト終わってから行くね。
じゃあ、また明日。」



電話を切って、ふうと一息。


そうだ、バイト終わりに美容室行って髪色新しくしようかな。
前日だけど、予約できるか確認しよう。



「あ、吉良さん空いてる。」



よかった〜。
時間もちょっとちょうどいいね。
これなら、藤雅の家に行くのは夕方くらいにはつけると思うし。