「それでは、失礼致します。
日程はまた追って連絡しますので、よろしくお願い致します。」


「また連絡する。」


「うん。またね。」



お母さんと一緒に、藤雅たちを玄関まで見送って。
賑やかだった我が家に、沈黙が訪れる。


気まずい…。
何を話したらいいんだろう。
さっきの話?
またぶり返すようで…なんだかなあ、って気もするんだけど…。
だけど、何も触れないわけにはいかない。



「めぐ、冷たい麦茶でも飲む?」


「あ、うん。」



色々考えていたわたしとは反対に。
お母さんは、いつも通り。
キッチンで藤雅たちに出したグラスを洗っているし…。

なんだ、もやもや考えていたのはわたしだけか…。



「なんて顔してるの、あんた。」


「え?いや…。」



洗い物が終わったみたいで。
麦茶の入ったグラスを片手に、わたしの向かいに座ったお母さん。
ダイニングテーブルに項垂れてテレビを見ていた体を何となく起こした。