「引越しの方は、我々が手配し全てやらせて頂きますので。
1日、組員が出入りしても宜しいでしょうか?」


「構わないわよ。
確か、蒼樹くんだったっけ?
何歳なの?中々迫力のあるお顔してるね。」


「こ、今年で24になります…。」


「そうなの?
あら〜、なんだか狂犬って感じね。」


「きょ、狂犬…?」



お母さんに捕まった蒼樹さん。
年齢にもびっくりしたけど、お母さんが馴染んで話してるのが意外。


藤雅は隣で、わたしと手を繋いで嬉しそうにしているし。
十葵も、よかったねと笑ってくれた。



「お前のお袋さん、すげえな。」


「お母さん看護師だから、色んな患者さん見てきてるみたいで…。
あんまり人見知りとか元々しないタイプだし。」


「蒼樹があんだけ持ってかれてるのマジ面白いんだけど!あはは!」


「十葵は笑いすぎ。
…確かに面白いけど。」



お母さんのペースに付き合わされている蒼樹さんは、珍しくドキマギしていて。
普段からは想像がつかない。