「てかさ!
来週?再来週?くらいにある花火大会、みんなで行かない!?」


「逢坂の花火大会?
ごめん、私おばあちゃん家行くから…。
その時期こっちにいないんだよね。」


「李月のおばあちゃん家、県外?」


「うん。隣の県だよ。
地味に遠くて大変なんだよね。」


「そうなんだ。気をつけて行ってきてね。」


「残念!芽来は?行ける??」


「ごめん、わたしもその日は用事があって。
柑奈は?どうするの?」



嘘です。
めちゃくちゃ行きます。
なんなら、出演者として行きます。

だけど、李月にも柑奈にもバンドのことは話していないから。
上手く隠さないと。



「2人が行けないなら、あたしもやめよっかな〜。
あー…彼氏欲しい、花火大会デートしたい!」



彼氏…。
ダメだ、藤雅のことを思い出しそうになる。