「じゃあ、また来週。」


「気をつけて帰ってね。」



柊と駅で別れて。
その足でわたしは、いつもの公園に向かった。



「…誰もいないか。」



そうだよね、こんな時間じゃ誰もいないか。
わたしは何を期待してここにきたんだろう。

鳴り止まない携帯は、電源を切ってしまった。



「帰ろ。」



出会う前の日常に戻るだけ。
傷つくことはなにもない。


もう、あんな怖い思いをする必要ないんだ。
いくら優しい人だからと言ったって、所詮は極道。
きっと人を手にかけたりだってしてるに決まってる。