気付けば俺は彼女を胸に抱いていた。強く抱きしめたら簡単に壊れてしまいそうで、俺は腕でそっと包み込んだ。
「と、突然どうしたんですか、陽介さん」
「もう、偽りなんかじゃないです」
「え?」
「俺の気持ちも、もう偽りなんかじゃないです」
俺はゆっくりと彼女の体を離した。
「確かに最初は真結さんのワガママに付き合っているだけでした。正直、彼氏、彼女、って言われてもよく分からなかった。だけど、関われば関わるほど真結さんのことが好きになっていって。真結さんが死にかけた時、俺すごく怖かった。また大切な人を守れなかったんじゃないかと思って」
「でも…私はもう…」
「忘れてませんからね? 死ぬまで彼氏でいてくださいって言われたこと」
彼女の頬を一筋の涙が伝った。
「真結さんが心細くなったらすぐに駆け付けます。ずっとずっとそばにいます。だからこれからも真結さんの彼氏でいていいですか?」
俺がそう言うと真結さんは顔を手で覆った。顎からポタリポタリと滴が落ちた。彼女は涙を拭うと、顔を上げて嬉しそうに頷いた。
「これからもよろしくお願いします」
彼女の嬉しそうな笑顔は、涙に濡れていても、いつもと変わらない笑顔だった。この笑顔を守り抜きたい、そう確かに思った。
「と、突然どうしたんですか、陽介さん」
「もう、偽りなんかじゃないです」
「え?」
「俺の気持ちも、もう偽りなんかじゃないです」
俺はゆっくりと彼女の体を離した。
「確かに最初は真結さんのワガママに付き合っているだけでした。正直、彼氏、彼女、って言われてもよく分からなかった。だけど、関われば関わるほど真結さんのことが好きになっていって。真結さんが死にかけた時、俺すごく怖かった。また大切な人を守れなかったんじゃないかと思って」
「でも…私はもう…」
「忘れてませんからね? 死ぬまで彼氏でいてくださいって言われたこと」
彼女の頬を一筋の涙が伝った。
「真結さんが心細くなったらすぐに駆け付けます。ずっとずっとそばにいます。だからこれからも真結さんの彼氏でいていいですか?」
俺がそう言うと真結さんは顔を手で覆った。顎からポタリポタリと滴が落ちた。彼女は涙を拭うと、顔を上げて嬉しそうに頷いた。
「これからもよろしくお願いします」
彼女の嬉しそうな笑顔は、涙に濡れていても、いつもと変わらない笑顔だった。この笑顔を守り抜きたい、そう確かに思った。