12月に入り、街はクリスマスに包まれていた。赤と緑が愉快に並んでいる。いつものスーパーでは、まだクリスマスも来ていないのに、もうおせちの注文が受け付けられている。もう少し、今年最後の1か月を謳歌してもいいのにな、と思ってしまう。彼女の病室に着くと、眠っている彼女の横に叶汰が立っていた。
「真結は今寝てる」
「そうか。じゃあこのグミ、起きたら渡しといて」
「いつもありがとな」
俺は病室を去ろうとした。すると、
「なぁ陽介」
叶汰の口から久しぶりに俺の名前を聞いた。
「死と向き合う覚悟はあるか」
叶汰のその言葉は、彼女の最期を想起させるようなものだった。
「それって…」
「もし死と向き合う覚悟がないなら、もう見舞いには来ない方が良い」
言葉を失う俺に、叶汰はさらに言葉を投げつけた。
「陽介が人の死に滅法弱いことぐらい知ってる。だから、俺はお前がこれから見舞いに来ることは、お前にとって良くないことだって思う。妹さんを失った時と、また同じ苦しみを味わう日がいずれ来てしまうかもしれないんだ」
叶汰は、溢れ出す感情を必死に抑えながら話していた。
「真結は今寝てる」
「そうか。じゃあこのグミ、起きたら渡しといて」
「いつもありがとな」
俺は病室を去ろうとした。すると、
「なぁ陽介」
叶汰の口から久しぶりに俺の名前を聞いた。
「死と向き合う覚悟はあるか」
叶汰のその言葉は、彼女の最期を想起させるようなものだった。
「それって…」
「もし死と向き合う覚悟がないなら、もう見舞いには来ない方が良い」
言葉を失う俺に、叶汰はさらに言葉を投げつけた。
「陽介が人の死に滅法弱いことぐらい知ってる。だから、俺はお前がこれから見舞いに来ることは、お前にとって良くないことだって思う。妹さんを失った時と、また同じ苦しみを味わう日がいずれ来てしまうかもしれないんだ」
叶汰は、溢れ出す感情を必死に抑えながら話していた。