9月に入り、冷ややかな風が吹く中、太陽はまだ弱まることを知らない。今年の夏は長引きそうだ。俺は今日も、涼しすぎる彼女の病室で難を逃れていた。
「真結さんってサーフィンの凄い選手だったんですね」
「いやいや、そんなすごくないですよ。育成に入ったぐらいですから」
育成選手であっただけではない。数多の大会で優勝している。というか、育成に入った『ぐらい』なんて言い方をする時点で、俺とは生きている世界が違うように感じる。
俺が感心していると、彼女はベッド横の棚からがさごそと何かを取り出した。
彼女が取り出したのは、手持ち花火であった。
「あの…話変わるんですけど、今日日が暮れたら花火したいんですけど、どうですか?」
「俺はこの後も暇なので大丈夫ですよ」
小さくガッツポーズをして喜ぶ彼女は、微笑ましく可愛らしかった。
「真結さんってサーフィンの凄い選手だったんですね」
「いやいや、そんなすごくないですよ。育成に入ったぐらいですから」
育成選手であっただけではない。数多の大会で優勝している。というか、育成に入った『ぐらい』なんて言い方をする時点で、俺とは生きている世界が違うように感じる。
俺が感心していると、彼女はベッド横の棚からがさごそと何かを取り出した。
彼女が取り出したのは、手持ち花火であった。
「あの…話変わるんですけど、今日日が暮れたら花火したいんですけど、どうですか?」
「俺はこの後も暇なので大丈夫ですよ」
小さくガッツポーズをして喜ぶ彼女は、微笑ましく可愛らしかった。