今日は天気予報で40℃近くまで気温が上がると言っていた。やかましく鳴くセミがその暑さを助長している。俺はまたスーパーにふらっと立ち寄って、アイスキャンディーと彼女にあげるゼリーを買った。
普通の病室には1部屋に4つのベッドがあるけれど、彼女の病室は彼女のベッド1つだけ。それにやけに整った空調設備があるのもおかしなところだ。いつも寒いぐらいにクーラーが効いている。なぜだろう、彼女はとんでもなく暑がりなのだろうか。
「失礼しまーす」
俺が病室に入ると、彼女は外の景色から目を離し、俺に笑顔を向けた。
「今週も来てくれるんじゃないかなって思ってました」
嬉しそうな彼女を見て、一瞬気が緩みそうになる。危ない危ない。これはワナだ。俺がゾッコンになったら終わりなのである。
「またゼリー買ってきました」
「え!わざわざありがとうございます!」
そう言って彼女はゼリーの入った袋を覗く。
「今日はアップル味なんですね」
「広崎さん…がこのゼリー好きなら、アップル味は間違いないかなと思いまして」
気を抜かないようにしているせいか、俺の口調は固くなった。そんな俺を見た彼女は、
「真結って呼んでいいですよ?」
と言って小さく笑った。俺の心はわかりやすく動揺した。俺は女子の名前を下の名前で呼んだことがない。突然下の名前を呼び捨て、なんて無理すぎる。
「あ、えっと、、じゃあ真結さんで…」
俺は極力自分が呼びやすい形にした。それでも下の名前で呼ぶのは照れ臭くて、俺の心の動揺は収まらなかった。
普通の病室には1部屋に4つのベッドがあるけれど、彼女の病室は彼女のベッド1つだけ。それにやけに整った空調設備があるのもおかしなところだ。いつも寒いぐらいにクーラーが効いている。なぜだろう、彼女はとんでもなく暑がりなのだろうか。
「失礼しまーす」
俺が病室に入ると、彼女は外の景色から目を離し、俺に笑顔を向けた。
「今週も来てくれるんじゃないかなって思ってました」
嬉しそうな彼女を見て、一瞬気が緩みそうになる。危ない危ない。これはワナだ。俺がゾッコンになったら終わりなのである。
「またゼリー買ってきました」
「え!わざわざありがとうございます!」
そう言って彼女はゼリーの入った袋を覗く。
「今日はアップル味なんですね」
「広崎さん…がこのゼリー好きなら、アップル味は間違いないかなと思いまして」
気を抜かないようにしているせいか、俺の口調は固くなった。そんな俺を見た彼女は、
「真結って呼んでいいですよ?」
と言って小さく笑った。俺の心はわかりやすく動揺した。俺は女子の名前を下の名前で呼んだことがない。突然下の名前を呼び捨て、なんて無理すぎる。
「あ、えっと、、じゃあ真結さんで…」
俺は極力自分が呼びやすい形にした。それでも下の名前で呼ぶのは照れ臭くて、俺の心の動揺は収まらなかった。