「よく飲んでたんですか!一緒です。何か…スポーツとかやってたんですか?」
「少しだけですが、父の影響でサーフィンを」
サーフィン―こんな色白な彼女からそんな答えが出てくるとは思わなかった。そういえば叶汰も言ってた気がするな、父さんがサーフィンやってるって。
「へぇサーフィンですか。俺は、」
そう言いかけた時、
「野球部、ですよね?その野球帽に坊主頭」
と彼女が、全て見透かしているぞと言わんばかりの眼差しを俺に向けた。
「よくわかりましたね」
「私のお兄ちゃんも野球部だったんで」
もちろん俺は、彼女の兄である叶汰が野球部であることは知っている。だけど俺は知らん顔をして、
「あー確かにキャッチャー出来そうな体格…」
と呟いた。
「そう!キャッチャーやってたんです!さすが野球部」
あなたのお兄ちゃんと知り合いです、だなんて言えた空気ではなかった。
「陽介さんはポジション、どこだったんですか?」
「あ、えっと、ピッチャーを」
「え!すごい!お兄ちゃんとバッテリー組めちゃいますね」
そう、俺と叶汰はバッテリーを組んでいた。彼女はそれを知らない。
「確かに…組めちゃいますね…」
自分の兄と俺との共通点に喜ぶ彼女に、俺は精一杯の苦笑いをした。