「好きなのを選んでって、ここにあるものは全部、真宙くんのお姉ちゃんのものだよね?」

「ど、どうする?瑠佳ちゃん……」

「真弓ちゃんにはちゃんと許可を取ってあるから大丈夫だよ」


話の流れについていけてない私と新那を櫻子さんが衣装部屋へと押し込む。

「ほら、早くしないと時間なくなっちゃうよ」

私たちは櫻子さんに急かされる中、20着近くあった浴衣の中からそれぞれ好きなものを選ばせてもらい、彼女に着付けをしてもらった。


「私も自分で浴衣を着れるようになりたいな」

「本当!?じゃあ、今度うちに遊びにこない?うちのママ着付け教室やってるから教え方上手なんだ」

「わー、行きたい」

着替えの間に距離が縮まったのか、すっかり仲良くなった新那と櫻子さん。




1階に戻ると怜央と委員長が買い出しから戻っていて、私たち6人だけの花火大会がスタートした。


花火は手に持ちながら楽しむスタンダードなものから、クルクルと回り火花を散らすものまで様々な種類が用意されていた。

噴水のように縦に上がる火花に驚いていたら、別の花火は十数メートル先まで打ち上がり綺麗な花を咲かせる。