「魚々(なな)、人魚の姫としてのマナー講座は終わったのか？」



げっ！！

まあいっか。

ウソついとこー。



「終わったよ？」

「そうか。」



良かった…。

まあ、お父様は私に甘いしね♪

そうだ、内緒で出掛けよーっと！

渚(なぎさ)の絵を見に行こっか。

渚っていうのは人間の王子様なんだって。

昔ね、私の隠れ家に渚の絵が落ちてきて…

あまりにも整った顔に私は一目惚れしちゃったの。

きっと叶わない恋だと思う。

人間の渚と人魚の私とじゃ、同じ時を生きていけないもの。

諦めるしかないよね？

どんなに苦しくて切なくても、彼と私は、結ばれない運命なんだから。