僕が初めて別れを経験したのは小学校の入学式だった。

話が少しずれるが、幼稚園に通っていた時の僕のことを話そうと思う。


自分で言うのもなんだけど、幼稚園の中では1番と言っても過言ではないほど

ヤンチャでフレンドリーで、友達も多かった。


それでは話しを戻して、僕が通っていた南幼稚園では

卒園する2ヶ月ほど前になると恒例の行事「小学生気分」が行われる。


※「小学生気分」とは今まで遊んでいた部屋を小学校の教室のように

机を並べてみんなで、遊び:勉強:テスト=6:2:2の割合で行い小学生になっても

あまり緊張しないようにするというもの

 
僕の親は小さい頃から厳しくて幼稚園に入学式する頃には算数など

は小学校2年生ぐらいのところまで理解していた。


だから、「小学生気分」のテストは僕にとっては簡単で常に一位だった。


ところが、ある日僕がテストの順位表を見にいくと二位になっていた!

そして、一位は僕がほとんど話したことがなかった秋本春樹《あきもとはるき》だった。

  
その日から僕と春樹は一位と二位を争って喧嘩をしたりしていた。

でも、気がつくとテストがある度に次第に話すようになり仲良くなっていった。


いつのまにか3月がやってきた。

卒園式の日の帰りに僕と春樹は「小学校に入ってもテスト勝負するぞ!」

と約束を交わしハイタッチをしてそれぞれ家に帰った。