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初日の入学式のあと、「今後のことについて、ちゃんと話し合っておきたいんだけど」っておねがいして、あたしは蓮とダイニングテーブルに向かい合って座った。
「単刀直入に言うと、あたし、本気で金の夫婦の卵目指してるから」
「お、おう。そうなんだ」
「だから、蓮にも本気で目指してほしいの」
「あー……俺さ、ぶっちゃけると、姉ちゃんたちに勝手に願書出されたんだよね」
「……は?」
「だから、俺とペアになった……えーっと、唯菜だっけ? には悪いけど、まず、金の夫婦の卵ってなに? って状態なんだよね。まあ、今日の学園長の話でだいたい理解したけど」
ちょっと待って。こんないいかげんなヤツが、あたしの運命の相手なわけ!?
ありえない。
ひょっとして、バグ!?
そうだ。これはきっと“デステニー”のバグにちがいない。
だったら、パートナーを変えてもらう?
ううん、それはダメ。
だってこれは、“デステニー”の実験も兼ねてるんだから。
だから、“デステニー”で選ばれたカップルじゃなきゃ金の夫婦の卵に選ばれるわけがないんだ。
初日の入学式のあと、「今後のことについて、ちゃんと話し合っておきたいんだけど」っておねがいして、あたしは蓮とダイニングテーブルに向かい合って座った。
「単刀直入に言うと、あたし、本気で金の夫婦の卵目指してるから」
「お、おう。そうなんだ」
「だから、蓮にも本気で目指してほしいの」
「あー……俺さ、ぶっちゃけると、姉ちゃんたちに勝手に願書出されたんだよね」
「……は?」
「だから、俺とペアになった……えーっと、唯菜だっけ? には悪いけど、まず、金の夫婦の卵ってなに? って状態なんだよね。まあ、今日の学園長の話でだいたい理解したけど」
ちょっと待って。こんないいかげんなヤツが、あたしの運命の相手なわけ!?
ありえない。
ひょっとして、バグ!?
そうだ。これはきっと“デステニー”のバグにちがいない。
だったら、パートナーを変えてもらう?
ううん、それはダメ。
だってこれは、“デステニー”の実験も兼ねてるんだから。
だから、“デステニー”で選ばれたカップルじゃなきゃ金の夫婦の卵に選ばれるわけがないんだ。