「あのさ、唯菜」
「なあに？」
　唯菜のキラキラ光る瞳にじっと見つめられ、俺の心臓がドキドキを通り越してバクンバクンと打ちはじめる。
　
　あー、心臓マジで飛び出してきそう……。

「……俺たち、ちゃんと付き合わない？」
「え……？」
「その……唯菜が本気で金の夫婦の卵(ゴールデンカップル)目指してて、それに協力するとは言ったけどさ。そうじゃなくて……ちゃんと恋人になりたいなって。なんていうか、うまく言えないけど……そういうの抜きでも、唯菜と一緒にいたいって思ってるんだけど」

　こんな俺が好きになれるのは、きっと唯菜しかいない。

　唯菜を絶対に手放したくない。

「ダメ？」
　黙ったままの唯菜の顔を覗き込む。
「ううん、ダメじゃない。あたしも、蓮と一緒にいたいっ」
　言葉とともに、唯菜が俺の胸に飛び込んできた。
「蓮、大好き」
「俺も。大好きだよ、唯菜」
　唯菜の小さな体を、壊れないようにそっと抱きしめた。