「はぁ!? ちょ……なにいきなり」
「今度一緒にやろうぜ、『マジソー』」
「それはムリ。パーティー組んでる人がいるから」
「それって、男?」
「女の子に決まってるでしょ。蓮こそどうなのよ?」
「もっさいおっさんだよ」
「なにそれ。会ったことあるわけ?」
「会わなくてもわかるって。あいつは間違いなくおっさんだ」
「ふふっ、なにそれー」
 唯菜が笑い声を立てる。
「あ、そだそだ。あれ、忘れるとこだった」
 えーっと……。
 カバンの中をあさり、ガサゴソと紙袋を引っ張り出す。

 あーあ、シワくちゃになってるし……。

「ま、中身は無事だと思うけど」
 そう言いながら、唯菜に小さな紙袋ごと差し出した。
「え、なに?」
「マグカップ。この前、欠けたって言ってただろ? いいの見つけたから」
「うれしい。ありがと」
 唯菜が、口元をほころばせながら受け取ってくれた。
 そんな唯菜の笑顔が、本当にキラキラ光って見える。

 うわっ、やべっ。なにこれ、めっちゃうれしいんだけど。