「見てたわよぉ~」
 チケット売り場の列に並んでいると、ひとりのお姉さんに声をかけられた。
 蓮と気まずげな顔を見合わせてからそのお姉さんの方をもう一度見ると、胸元に『セブンオーシャン広報』という名札を下げているのに気がついた。

「ねえ、さっきのSNSにアップさせてもらってもいいかしら?」
「俺はいいですけど……唯菜はイヤだろ? ゲーヲタバレするぞ?」
「いいです。載せちゃってください。もちろんアイツらの個人情報は伏せてもらえるんですよね?」
「ええ、それはもちろんよ」
 お姉さんが、あたしたちに向かってにっこりほほえんだ。