部屋にいるときの唯菜の方が、俺は断然好きだ。
 みんなが本当の唯菜を知れば、友だちだってちゃんとできるはずなのにな。
 そんなことを言ったらどんな目に遭うか、だいたい想像つくから言わないけど。

 ……って、なんで俺はこんなに唯菜のこと心配してんだ?
 マジでわかんねー。
 部屋にいるときと教室にいるときの唯菜の化けっぷりを見てると「やっぱ女子って怖ぇ~」って思うんだよ。
 だけどさ、それでもなんか他のヤツらとはちがうんだよな。

 運命の相手(パートナー)なんつー適当なこと言って、同じ部屋に押し込められてるせいか?
 ま、最初からそんなもん信じてないけど。

 だけど今日のアレ、俺がイヤがってんのに気づいて助けてくれたんだよな?
 周りの女子にヤな顔されるのわかっててさ。

『もう誰も信じない』なんて言っておきながら、結局お人好しなんだよなー、アイツ。