私がいる事で
いつまでも気に病むし
何にも悪くないのに
責任負わせちゃってる。


自分の気持ちを後回しにして
私を優先する。


綺麗に丁寧に処置してくれたとはいえ
ナイフを掠めたのだから
本当は傷痕は残ってる。


かなり良くはなったんだけど
一生消える事はないだろう。


私にとっては勲章だから
恥じる事なんて全くなくて
寧ろ自慢して歩きたいくらいなんだけどね。


でも中学の時に一度だけ
樹にバレちゃった事があって
こっちが心配になるくらい動揺してた。


それからの樹は
もっと私から離れなくなった。


私に近付こうとする男子を
追い払うようになった。


樹を追い込んでしまった。


それからは、極力バレないように
細心の注意を払って
髪の毛を伸ばして傷痕を隠してる。


でも


だから


この傷がある限り
ダメなんだよ、私では。


樹がなんのしがらみもなく
変な責任を感じる事なく
幸せになる道は私以外の誰かなんだよ。