私にとってお兄ちゃんは唯一の家族。
お兄ちゃんがいなくなれば私は天涯孤独。
それはお兄ちゃんにとっても同じ。
なのにお兄ちゃんを支えることも、勧めてくれた大学も卒業できない····何より、一緒に生きることが出来ない。




悔しくて、悔しくて、悲しくて、辛い。



まだまだ一緒に色んなところに行きたかった。いっぱい話だってしたいし、メンバーの皆さんからお兄ちゃんの話を聞いてみたい。もっとお兄ちゃんの活躍する姿を見たい。
だけど私の望んでいたことはどれも叶いそうにない。





あと8ヶ月·····そんな短い時間で何をすればいいんだろう。私の人生はもう終わってるんだ。



「桜樹の気持ちも大切なのかもしれないけど1番大事なのは君の気持ちだと思う。·····いいと思うよ。」



最後に付け足した言葉の意味が私には分からなくて下を向いていたけど顔を上げた。
目が合った瞬間、小戸森さんは微笑んだ。



『やっと顔が見えた。』



そんなふうに思ったんじゃないだろうか。