私も高校生だしバイトでもして自分の学費くらいは払おうと思った。
けどその話をお兄ちゃんにしたところキッパリ断られてしまった。



『付き人でバイト代みたいなものもでるし、2人とも保険にも入っていたから桜音羽が社会人になるまでは十分生活できるよ。
だからそんな心配しないで桜音羽は今しかできない楽しいことをして過ごして。
お兄ちゃんからのお願い。』



そう言って頭を撫でられた。
私はお兄ちゃんからのお願いに弱い。
だってそのお願いはいつだって私の為だから。



「あ、そうだ。」



お兄ちゃんの声で私の意識は目の前のお兄ちゃんに移った。



「今度のデート、どこ行こっか?」



昔から私とお兄ちゃんは2人で出かける時、必ずデートと言っていた。