「人はいつか亡くなるんです。
だから生きている人は後悔しないように毎日必死に生きるべきだと私は思います。
それは桜音羽さんにも同じことを思います。
“今”を生きているんですから。
そしてご家族のお兄さんにも。
残された時間、後悔しないようにおふたりは何がしたいですか?
1週間後、桜音羽さんはまた来てください。
お兄さんも予定が合えば是非。
じっくり考えてみてくださいね。」



帰る時、お兄ちゃんは何も喋らなかった。



「·····じゃあ、行ってらっしゃい。」


「1人で帰れる?」



だけど別れる時には心配してくれた。



「まだまだ元気だからちょっとショッピングでもして帰るつもり!」



私は少し大袈裟に振舞った。
お兄ちゃんは安心したように微笑んだ。



「じゃあね。」