なんで最後だけ敬語なんだろう?
パーテンションもあるし後ろ向かなくても見えないけどきっと小戸森さんの優しさなんだろうな。
着替えていると小戸森さんが話しかけてきた。



「君って少し幼いけど綺麗な顔立ちだよね。
家族もそうなの?」


「私は至って平凡ですよ。」



初対面でこんなこと聞いてくるなんて掴めない人だなぁ。



「女優さんとしていてもおかしくないと思うんだけどな。お母さんはどんな人?」


「母·····は、品があって綺麗な人でした。
身長も女の人にしては高くて私もお母さんの娘だからあんな風になるんだーって憧れてました。
今18でこの身長だからもう無理ですけど。ふふっ。」



懐かしいなぁ。
お兄ちゃんにふさわしくなりたくてお母さんが憧れで。お父さんは私が結婚する時、泣くんだろうなぁって小さいながらに想像してた。



「んふふ。」



小戸森さんも笑ってくれた。
独特だけど可愛い笑い方だなぁ。



「兄は母譲りの身長なんですよ。
かなり高くて私と差があってそんなだからか私の事いつも子供扱いなんです。」


「そういえばお兄さんの仕事の手伝いって言っていたけどお兄さんはなんの仕事してるの?裏方?」