私は自己紹介をしてなかったことに気がついた。



「挨拶が遅れてすみません。
桜樹 桜音羽といいます。
今度の3月で19歳になります。」



·····なれるか分からないけど。
明日生きているかなんてもう分からない。
挨拶すると皆さん1度動きが止まった。



「碧音、10代誘拐したらいけない。」


「19?····俺と10個差もある。」



10ってことは小戸森さんは29歳?
大人だなぁ。



「とりあえず着てみてくれる?」



とても細い手でスカートを渡された。
衣装と言うにはシンプルで無地のベージュだった。でも小戸森さんが着ると輝いて見えるんだろうなぁ。



「お借りします。」


「じゃ俺らちょっと外でとくわ。」



伊月さんがそう言うと皆さん出ていった。
小戸森さんと2人きり。



「俺出といた方がいい?
でも誰か入ってきたら困るよね。
一応後ろ向いてるからその間に着替えちゃってください。」