5分も待てばコーヒーも染み込みますよね。
でも本当に悪気は無いみたいだしそんなに気にしなくても·····。



「大丈夫ですよ。」


「そうですよね·····怒りますよね。
なんて謝罪したらいいか·····。」



あ、無表情だから怒ってると思ってるんだ。



「えっと、すみません。
怒ってないです。
笑顔が苦手で·····」



そういうと少し安堵したのか私の横に腰をかけた。
それにしてもかっこいい衣装を着てるなぁ。クールだけど清潔感がある感じ。



「綺麗な衣装ですね。」



喋らないのも失礼かと思って話しかけてみた。



「あぁ。
今日の歌番組の衣装です。」



歌番組·····、ん?そういえばこの人の顔どこかで見たような·····。
私は顔を覗き込んで見つめた。



「何か·····変ですか?」



突然見つめたから驚かせてしまった。



「あ、いや、その·····どこかで·····」



気づいたようにその人は言った。



「そうだ。
自己紹介まだでしたね。」