≈4年後≈



「あおたん」

「なぁに?」


柔らかく微笑む2歳の女の子。



「ほんとにそっくり。大きくなったら結婚しようね。」

「殺す。」


低い声で言ってきたのはすっかり柚羽〔ゆずは〕の父親になった李桜。


「いざ、参る!」

「ぐわっ·····く、そ、 」


俺が倒れ込むと刀をしまいキメ顔の空桜〔あお〕。もうすぐ4歳か。時間が経つのは早い。


「本当に驚くくらい似ててびっくりだよねぇ。もう一度会えたみたいで嬉しいんだ。」


ゆきちゃんは空桜を産んだ後どんどん体調は回復していき昔のように周りが何をしても笑って過ごしている。


そんな中生まれたのが柚羽。桜音羽から1文字名前を貰ったと嬉しそうに報告してきた。4年前に李桜の家に来てからひと月に何回も来るようになった。本当に家族と認められて心底嬉しく感じた。


「空桜は碧音さんと李桜から貰えて柚羽は女の子だったし、桜音羽ちゃんからだけにしたけどやっぱりこの名前で正解だったんだね。私は気に入りすぎちゃって名前書く時ににやけちゃうんだよー。」


「俺の名前?どこにも入ってないでしょ。」


初耳の話に不思議に思った。


「え、まさか言ってなかったのー?私てっきり伝えててこの名前選んだと思ってたのに·····!」

「あ、もう帰るでしょ。玄関あっちなんで。」


さっさと俺を追い返そうとしてるけどまだ来て30分なんですけど。なんなら昼飯一緒に食べる約束してたはずだし。