友達と3人で笑いあって過ごしている桜音羽を想像してみた。性格が優しすぎるから信頼されていたことだろう。

可愛かっただろうな。


「さっきも話した通り俺の一目惚れかな。桜音羽が思ってくれてたのと同じで短いのに想い出で溢れかえってるんだよ。

婚姻届を書く時、お互いの漢字を見て2人で笑った。『音』って漢字が一緒でさ。名前を聞いた時にそうだろうなって思ったけど並んだ名前を見たらたった1文字なのに一緒で嬉しかった。

桜音羽は結婚式をしたあとから俺の事を『あおくん』て呼んでくれて。照れくさかったけど俺は李桜が呼んでるみたいに『おと』って。まじで新婚みたいでしょ?

実際そうなんだけど奏はみんなで暮らしててそこに桜音羽を迎えたから俺と桜音羽は同じ部屋にいたから2人だけの時間もあったけどむしろ太陽とかが割り込んでくるから新婚にしては邪魔ばっかり笑

嫉妬してたけどメンバーのおかげで桜音羽は寂しがることは無かった。俺が仕事でいない日は他の奴らがずっと話しててむしろ夜は疲れて眠るのが早いくらい。

でも『話せて楽しかった。』『あおくんの秘密聞いちゃった。』笑いながらそんなこと言ってくんの。

だからこそ最期を1人にさせて罪悪感が残ってんだよね·····」


桜音羽の話をしていると思わず瞼を閉じてしまった。俺の中の桜音羽が優しく微笑んでいた。


「2人で過ごす時間にさ時々話してくれてた。君たちの事。
『あの二人は自分たちの力で生きていける自立した人たち』『こんな私を受け入れてくれて最後まで心配してくれてた』『今頃は二人で笑いながら将来の夢と向き合ってるんじゃないかな』ってさ。数ヶ月の思い出話もしてくれて、とにかく信頼してるのが伝わってくるくらい幸せそうな笑顔で話してたよ。
桜音羽にとっては最後まで大切な友達だったんだと思う。」