「碧音、 さん?」

目の前にいる碧音さんの姿に驚いた。だって碧音さんは紫の髪だったのに今は綺麗すぎるほどの····。



「やっぱり王子様ならこれ《金髪》でしょ?」




はにかんだままそう答えた碧音さんはまるで本当の王子様のようだ。
私の夢を全て叶えようとしてくれてる。



ゆっくりと碧音さんの手へ私の手を重ねた。この手を離したくない。時間の許す限り繋いでいようと心の中で密かに誓った。





1年前はこんなことになるって想像もしてなかったな。
病気になると思ってないし、好きな人ができるとも思ってなかった。
変わらずにお兄ちゃんとの2人暮らしが続いてると信じて疑わなかった。

突然生きられないって聞いた時は絶望した。

けどそれからの毎日は一日一日に愛おしさを感じながら過ごせた気がする。


お兄ちゃんとの日常を穏やかに感じて、カラフルBOYSと過ごす時間は色んな刺激を受けれた。


そして碧音さんは輝く日々を見せてくれた。そこで恋、その先の愛まで教えて貰えた。


周りの人はたった数ヶ月の時間を短いって言うかもしれない。だけどね、碧音さん。

私にとっては濃くてたくさんの思い出がある最高に素敵な時間だった。

その日々を作ってくれた碧音さんに私は感謝と愛情を伝え続けたい。







「碧音さん、私すごく幸せです。」

「桜音羽と出逢えて俺も幸せ。」














この笑いあった日々は確かにあって嘘の欠けらも無い言葉が重なる幸せを2人で感じあった。


この想い出達がいつか碧音さんの力になれますように。