「恋愛はどっちかが飽きたり嫌いになったりしたら終わるもんでしょ。」



自分に言い聞かせる為だけの言葉は悲しいほど胸に突き刺さった。
昔のように黒い何かに押しつぶされそうだ。




「馬鹿だろ。」




周作の放った言葉は何も間違ってない。
たった一人の女の子にフラれただけなんだから。
けど俺にとっては何より大切な存在になってた。だからこそ周作の言い方に腹が立った。




「馬鹿?情けねぇって?んな事わかってるよ!····けど、真っ暗な中にやっと見つけた希望だった。俺は、それを失って普通に過ごせるような人間じゃない。」




「だから馬鹿だって言ってんだろ。
失って苦しいんなら死ぬ気で離すなよ!」



周作のこんな表情は初めて見た。なんでこいつが泣きそうになってんだよ。



「泣きてぇのはこっちだっての。」



急に俺の前に来て痛いくらいの馬鹿力で肩を掴んできたのは太陽だった。



「出来ること全部やって、桜音羽ちゃんがそれでもお前を嫌いになった、もう会いたくないってそう言われるまで全力でぶつかってこいよ·····!!!」



「····お前ら俺のこと好きすぎでしょ。」


「キモイこと言うな!鳥肌立つ〜。」



「ちょっと行ってくるわ····」



真夜中に外出する俺にメンバーは何も言わなかった。
大人だからとか、仲が悪いとかそんなんじゃない。ただ、後ろから背中を押してくれた。