全部話し終わった頃にはもう日付が変わっていた。
父親のこと、そしてグループを続けたいということをはっきりと伝えた。


メンバーは練習生の頃のように笑っていた。



「なんだよ。 」

「そんなことかー。」

「つーか、俺ら誰も辞めたいなんて言ってないかんな!」

「お前が辞めたい雰囲気出しまくってるからってだけで辞める気ねーし。」



俺は人にかなり分厚い壁を作るようになってしまってたんだな。心を許せてたはずのヤツらにまで。

こいつらは一度も俺に壁なんて作ってなかったんだ。



「俺はいっそ何十年もやりたいんだけどお前らはどう思う......?」



桜音羽の言葉を忘れられなくてつい聞いてしまった。なのに不思議と不安はなかった。


「何十年·····か、」


「面白そう!」


「いやいや、現実考えろー。体力が無理(笑)」


「やり続けたければやってんじゃない?そんときの気分気分。」



やっぱり適当なヤツら。けどこんな奴らだから俺を受け入れてくれた。
6年前も、今も、これからもだろうな。



「それよりお前本当にもう諦めたの?」


右京はまだ桜音羽のことを聞いてくる。
俺だって諦めれるわけが無い。あの幸せな時間を嘘だったなんて思いたくはない。


「嫌われたんだから仕方ないでしょ。」

「いやぁ〜川島が言ってんでしょ?信用できるかって言ったら半々じゃない?(笑)」