碧音目線


父親のことを初めて人に話せてやっと名前を呼べた桜音羽。

次の日は1日仕事だったが幸福感が俺を支配していてハードな仕事も楽しくできた。

メンバーとはどこかで話す時間を作らないといけないと思い素直に話をしたいと伝えることが出来た。これも桜音羽のおかげ。



·····だけどその日の夜連絡をしたけど彼女から返事は返ってこなかった。

次の日も、3日後も、1週間経っても返事は無い。そして年を越す直前の歌番組でカラフルBOYSに会ったから話しかけても全員が動揺しているのが伝わってきた。

桜樹には話しかけることすら出来なくって川島に声かをかけたけど「ん〜、なんででしょうね?」薄っぺらい笑顔でそんなことを言われた。



「あ、」


そんな一言を放った川島に淡い期待をした俺が馬鹿だった。
川島の目からは光が消えてボロボロの俺の胸へトドメを刺してきた。



「嫌われちゃったんじゃないすか?(笑)」



・・・・・・・・・・・嫌われたのか。
だったらもう彼女の身近な人間に居場所を聞くなんてやめた方がいい。ストーカーと一緒だ。


楽屋に戻ると太陽に話しかけられた。
というより明らかに暗い俺を心配して全員がこちらを見てる。



「まだ教えて貰えないの? 」

「嫌われたんじゃない····?別にもう気にしてないし。 」



それからはまた1人になった感覚だった。
仕事を済ませたら何も感じず、何もせず。

だけど····

「話あるんだろ?」「あおからってことは大事なこと?」

こいつらには話があるって言っちゃったし、俺はもう嘘をつき続けたくない。