今思い返すと少し恥ずかしくも感じる幼い夢だなぁ。
けど朝陽さんは笑わずに言った。



「僕がその夢を叶えてあげるって言ったらどうする?」



初めはまた笑い話でもしようとしているのだと思った。
でもそうじゃない。朝陽さんは冗談で言わないと思った。



「前にも言ったけど桜音羽ちゃんが好きだ。
僕は君の望むことならなんでも叶えてあげたい。幼い夢でも。


だから、僕と結婚してくれない?」




朝陽さんから“ちゃん”付けで呼ばれるのは数える程度でしかない。でもだからこそ真面目に言ってくれているのが伝わる。



あと数ヶ月生きられるかも分からない人間にそんな言葉を言ってくれるなんて朝陽さんは本当に純粋な人なんだ。




·····私も、真面目に答えなきゃ。



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