テレビを見ている途中にお兄ちゃんは今までの奏が嘘だったのかと呟いた。
そして私はお兄ちゃんが嘘をつかないように釘を指している。



「この前泊まらせていただいた時、デビューしたてのグループはシェアハウスをするって言ってましたよね?そんな話聞いたこと無かったのでお兄ちゃんと問い詰めたんです。
私のためにシェアハウスを拒否したって言ってて····ちょっと、怒ったんです。これからは嘘をつかないって言ってたんでこの時も念押してて·····」



「あいつマジでシスコンだな。」

「妹想いってことにしとこう。」

「じゃあ今からシェアハウスすんの? 」



碧音さんからの質問に私は首を振った。


「他の皆さんも一人暮らしを始めていて自由で楽だからと断ってたみたいで····、」



カラフルBOYSは仲はいいけど一緒に暮らすのは嫌らしい。そして朝陽さんは後で私にこっそり教えてくれた。『僕はオンオフが激しいから人と暮らすの向いてないんだー。』そんな秘密を私しか知らないことが少し面白かった。



「もう22時30分か。 」


伊月さんが時間を教えてくれてそろそろ帰ろうと準備をしていると大きな地響きと多いな音が聞こえた。



「雷?」

「早めに帰った方がいいかもね。 」



玄関を開けると台風かのような大雨も降り始めていた。ここに着いた時はまだ天気は悪くなかったのに。


「車で送る?」

「ちょっと天気予報見るわ。」


皆さんが私を気にして動いてくれていた。
けど天気はかなり悪いらしく朝まで続くって言われている。


「泊まってく?」

「····」

「なんか気になんの?」


皆さんが心配して言ってくれてるけどまた迷惑かけちゃうし····お兄ちゃんもなんて言うか·····、


「ご迷惑ですし、帰ります!」



次の瞬間、大きな雷の音と共に部屋の明かりが消えた。
真っ暗····。碧音さんに出会えてなかったら私の未来はこんな感じだったんだろうな。