床に膝をついて私の目が見てしっかりと伝えてくれた。この人はどうしてこんなにも優しいんだろう。どうしてこんな私に優しくしてくれるんだろう。


「どうして、朝陽さんはいつも····優しいんですか····、」


溢れる涙を止めることが出来ないまま私は聞いた。



「今言ったのに(笑)桜音羽っちの事が好きだから!likeじゃなくて、Loveね。」


「·····その気持ちに私は答えられないのに?」


「そんなの、関係ないよ。僕が好きだからそれでいいの。」



相手の見返りを求めず素直にそう言えるのは朝陽さんが強いからだと思う。
でも私は今まで朝陽さんを利用してしまってた?碧音さんに会うために一緒に付いてきてもらったり、私が困った時はいつでも助けてくれてた。



「桜音羽っちの考えてること想像ついちゃうなー(笑)気にしなくていいんだって。
今日は疲れてない?じゃあボクに付き合ってくれる?」


また朝陽さんの優しさが染み込んで涙があふれる。それを見て朝陽さんは笑ってた。


付き合って欲しい場所があるって言われて連れてこられたのは私には縁のないエステだった。初めての場所に緊張してたけど朝陽さんと話していると緊張はいつの間にか消えていた。



肌がもちもちになって光ってる。プロの人はすごいなぁ。鏡を見て感心してしまった。



「さて、明日は僕達とまたお仕事してくれるんでしょ?そろそろ帰ろうか。」



泣いたことなんてなかったことのように笑ってる。私は自分に言い聞かせるように言った。



「どこかで区切らないとって思ってたんです。だから····今度会うことがあったらお別れしてきます。」



それでもこのまま離れることが出来ない私はやっぱり弱くて最低。だけどあと1度だけ会ってお礼を言いたい。